かなり前に書いた原稿だけど、公開しておこう。かなり前とはHAWX2発売前です。
ちょっと興味深いので簡単に触れておきます。
あるところで、「X2はアメリカ万歳なのが鼻につく」というような文章を見てはたと思いました。
これってアメリカ万歳なのかな?
アメリカ万歳っていうのはさ §
アメリカ万歳っていうのはこういうゲームじゃないのかなあ。
- 民間軍事会社の社員のくせに、アメリカが敵になると攻撃できず、しかもあっさりアメリカ軍に寝返る無節操な主人公
- いきなり1ミッションだけ主人公が違うけど気にしない。アメリカの正義のために戦う戦士は交換可能の道具に過ぎない
- アメリカ軍に頼れる支援をしてくれる自衛隊
- 警護する相手がエアフォース1で喜んじゃう
- 交渉を持ちかけた相手に対して話をしようともしないで徹底抗戦を宣言する好戦的な大統領
- 大統領の安否を気にしつつホワイトハウスとワシントンを守るために空戦だ!
- ろくな戦力ももう持っていない敵のリーダーを問答無用で吹っ飛ばして裁判にも掛けない結末
いや、何とは言わないよ。実際にこんなゲームを既にプレイしていたら、X2がアメリカ万歳なんてとうてい思えません。
X2の場合 §
- 民間軍事会社の社員だから、最後までその身分を押し通す。戦場で所属を変えるような無節操な奴は敵にまわるだけ (サイモンの復讐の道具なら移籍しても構わないけどね)
- たとえ747に乗ろうとも主人公は同じ (スレイマニとアンタレス1は交換可能じゃない)
- PMCのお荷物になる自衛隊 (急いで助けに行かないと全滅しちゃうかもよ)
- 警護する相手が諸悪の根源でげんなりしちゃう
- 大統領なんてどこにいるのかも分からないぐらい縁遠い
- 家族を心配しつつサンフランシスコを守るために空戦だ!
- 敵のリーダーを裁く証拠を得るための突入を支援する結末
だからX2のアメリカ軍というのは、「世界の危機」だというのに支援もしてくれない困った存在。本来なら軍事力を行使して警察的に行動してくれないと困るのに、序盤にちょっと第7艦隊が出てくるだけで、次に出てくるのは最後のミッションの第3艦隊。しかも、通信台詞だけ。結局、バーフォードとアンタレス1が貧乏くじを引き続けただけ。バーフォードもアメリカがGA計画の標的と知って焦るのは、実は家族を心配しているだけ。大統領の安否はぜんぜん気にしてないわけです。
それでだ §
実はイノセン・テイセス経験の有無でかなり感想が違うのではないかと思ったことがありますが、某ライバルゲームの経験の有無でもやはり感想が違うのかもしれません。だから、X2というのはXの続編などではなく(実際に世界観に共通点は一切ないぞ)、イノセン・テイセス後の世界で某ライバルゲームに勝つために生まれたようなものだと思いますが、そもそも比較対象を知らないとそれも戦いであることが見えてこないわけですね。
で、最初に気になった文章のあるサイトは、しっかりイノセン・テイセスと某ライバルゲームだけ扱ってません。ACE COMBAT 6とX2の中間のタイトルが全て扱われておらず、そこが飛んでいます。
だからXiも扱ってないから、Xiと某ゲームが使えない携帯音楽プレイヤー上でどういう戦いを行い、結果としてXiが敗北しているのかも見えていないのかも。だからこそ、X2は某ゲームに勝利するためのリベンジ作であり、そういうコンテキストに沿って解釈しないと作品構成の必然が見えてこないと思うのだけどね。ある意味で、今浦島がかなり世の中には多いということなのかも。